仕事の魅力と会社のサポートが移住の不安を消してくれた

今 英之 / Hideyuki Kon

私は十代の時に通っていた二つの洋服屋さんで、ロックやヒップホップなどの音楽に出会いました。普段着のスタイルも和食業界ではいないタイプだと思います(笑)。その洋服屋さんで教えてもらった音楽を通して文化やいろいろなことに興味を持つことを覚えました。そして初めての修業先だった京都の懐石料理店で、技術の他に「躾けと振舞い」というものをしっかり教えてもらいました。この二つの軸が自分の思考を支えていると思います。

料理を勉強していくにつれ、調理の技術にはそれぞれの分野に足らない部分があることを知り、和食に軸をおきつつもフレンチの修業もしてきました。そしていくつかの料亭、和食店、ブライダルレストランの料理長やベトナムでの和食店勤務を経験し、40歳を前にして新しいことに挑戦したいという気持ちが強くなった時に、この会社の髙木取締役と出会うことができました。和食の世界は、最初にお世話になった親方からの紹介や勧めもあって店をかわることが多いのですが、自分がイメージできないくらいの世界でやってみたいと考えていたので、まずは自分の意思で色々な人に相談したのが功を奏したのだと思います。

入社を決めるにあたり、家族と北海道に住んでいた私にとって、移住についてが課題となります。行ったことはあっても住むとなれば不安も大きいですし、もちろん家族にも相談必須です。そんな不安をよそに妻は、「あなたはこれまでと同じようなお店に転職しても後でつまらないと感じるだろうから、その決断は正しいと思う」と言って後押ししてくれました。
金沢では先輩たちが家探しから生活圏内の情報、参考になりそうなお店に連れて行ってくれたりと、充実したサポートにすぐ安心できました。何より料理の専門誌の記事などで知っていた髙木取締役が自ら話に来ていただいたこともあり、不安はありませんでした。

現在は単身で金沢に住んでいますが、レストランの営業もスタートでき、そろそろ家族を呼ぶ予定です。それまでは帰省のことも、家族のことを優先して会社がケアしてくれるので安心して日常の仕事に打ち込めています。

このレストランには決まった型がありません。それを一緒に一つずつ作り上げていく「考え方が柔軟で、過去のキャリアや知識、ジャンルにこだわらない」仲間を必要としています。どんなに技量があっても、はじめから「それはできない、やりたくない」と言ってしまう人はここには向いていないかもしれません。それ以上に、技術的に未熟でも「興味を持つということが芯にあって、興味の追求に努力できる人」に仲間になって欲しいと思います。

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